ちょっと笑えて、ちょっと切ない訪問歯科の話
〜心の中の“美空ひばりさん”と、今の歯科業界の現実〜
こんにちは。
私はこれまで、臨床の現場だけでなく「採用支援」のお仕事にも携わってきた歯科衛生士です。
今日は、私が過去に勤めていた歯医者での“ちょっと笑えて、でも少し切ない”エピソードをお話しします。
■ 訪問歯科でのある日
当時、私は訪問歯科の担当をしていて、介護施設に週に数回、口腔ケアに行っていました。
施設の共有リビングには、たくさんのおばあさん・おじいさんが集まっていて、テレビを見たり、お茶を飲んだり。
そんな賑やかな雰囲気の中で、私はいつものように患者さんの歯を磨いていました。
すると、ひとりのおばあさんが、ゆっくり私の方に近づいてきて、
少し真剣な顔でこう言ったんです。

「ねえ、美空ひばりちゃんが亡くなったって本当?」
■ 時代を超える“ときめき”の記憶
その瞬間、私はちょっと戸惑いました。
なぜなら…私は美空ひばりさんが活躍していた時代を知らないんです。
でも、おばあさんの表情を見て、すぐに思いました。
「あ、いまこの方の中では“美空ひばりちゃん”が現役で生きているんだな」って。

だから私は、
「そうなんです、残念ですね…」
と、静かに答えました。
するとおばあさんは驚いたように、
「いつ亡くなったの?」
と、さらに聞いてきました。
私は少し考えてから、
「最近ですよ」
と答えました。
■ おばあさんたちのリビング会議
おばあさんはとてもショックを受けた様子で、
「そんな…残念だねえ」と言いながら、共有リビングのテーブルに戻っていきました。
そして近くにいたお友達のおばあさんたちに、

「ひばりちゃん、亡くなったんだって…」
と伝えはじめました。
そこからしばらく、リビングでは“ひばりさん追悼トーク”が始まりました。
「若い頃よく歌ったねぇ」「あの声は唯一無二だよね」と盛り上がる姿を見て、
私はなんだか温かい気持ちになりました。
■ 認知症になっても、心に生き続ける「青春」
認知症が進んでも、心の中では“青春の記憶”が鮮やかに生き続けている。
そのときめきの時代を支えてくれた人や音楽は、
人生のどんなステージにいても、ちゃんと心の中で現役なんです。

だから、あの日のおばあさんにとっての「美空ひばりさん」は、
“今もどこかで歌っている大スター”だったんだと思います。
少し笑えて、でも胸がじんとする、そんな一日でした。
■ 訪問歯科の現場から見える「人材不足」の現実
このエピソードをきっかけに、私は今でも訪問歯科の大切さを強く感じています。
しかし同時に、現場には深刻な課題もあります。
それは――
歯科医師・歯科衛生士の「人材不足」と「離職」問題です。

実際、訪問歯科を続けたい歯科医院は増えていますが、
「求人を出しても応募が来ない」「ジョブメドレーに載せても反応が薄い」
そんな声を多く聞きます。
特に訪問系は、「興味はあるけどハードそう」「どんな雰囲気かわからない」という理由で
応募をためらう歯科衛生士さんも多いのです。
■ 私が「採用支援」を始めた理由
だから私は、現場を知る立場として歯科医院の採用支援をしています。
ただ「求人を出す」だけでなく、
その医院の魅力を掘り起こして、求職者にきちんと伝えること。
そして採用後も、長く定着して働ける仕組みを整えること。
これが、私の採用支援のテーマです。

「人がいない」と嘆く前に、
「どうしたら来てもらえるか」「どうしたら辞めない環境をつくれるか」を一緒に考える。
そんな伴走型サポートを行っています。
■ “笑顔のある現場”を増やしたい
歯科医師や歯科衛生士が笑顔で働ける現場には、
自然と患者さんの笑顔も生まれます。

訪問歯科のような介護現場でも、
口腔ケアを通して誰かの生活を支えられる喜びがあります。
だからこそ、「人が足りない」ことで笑顔が消えてしまう医院を減らしたい。
それが、私が採用支援をしているいちばんの理由です。
■ まとめ
訪問歯科で出会ったおばあさんの「美空ひばりちゃん」の話。
あの日の小さな出来事が、
私に「人の心に残る仕事をしたい」と改めて思わせてくれました。

そして今、
私は“歯科医院の採用支援”を通して、
もう一度あの頃のような温かい現場の輪を増やしたいと思っています。
もし、
「求人を出しても応募が来ない」
「歯科衛生士が定着しない」
「スカウトメールを使っても反応が薄い」
そんなお悩みがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

あなたのデンタルクリニックに合う人材を一緒に見つけて、
長く笑顔で働けるチームづくりをお手伝いします。
お問い合わせ、お待ちしております。
